一昨日、鹿川のいつもの沢を元上司と釣り上がり、キャンプ場に帰ると見知らぬヤツがぐったりと倒れています。 国籍、氏名、年齢、性別、住所、電話番号、全て不詳。 少し躊躇します。 でも、ほおって置けば必ず野獣の餌食です。保護することに決定です。 食事の好みも、好きな酒の銘柄も、好きなタイプも解りません。当然何語をしゃべるかも解りません。 熱中症にでもなったのかもしれぬと不安なので、体温を下げることにします。 風通しの良い炊事場のテーブルの上に食器入れをひっくり返しシェルターをこさえます。段ボール箱で日陰もこさえます。 そのうちだいぶ元気になり、テーブルの上に排便した跡もできました。 食事を与えようとしますがすごい抵抗をします。 この調子なら元気になりそうですがあと一日様子を見ることにします。 その間に、鹿川の人たちから情報を集めますが、みんな写真を撮ると帰ってしまいました。
一夜明け、少し遅めの朝食の後そっと様子を窺うと声に張りが出てきました、抵抗も一層激しくなりました。 これなら飛翔できるでしょう、安心です。 2016年5月24日午前9時36分、新緑の森に消えていきました。 たった一日の仲間でしたが素敵なヤツでした。
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